205 名前:siro 投稿日:2003/ 6/ 7 11:18 >>204

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>もっと、チャレンジ精神と才能のある、優秀な製作陣と脚本家が現われる事を期待しています。

 人材が不足していることが最大の問題ですが、何故優秀な人材がそこに流れていかないか、テレビ界を目指さないかというと、やはり局の体質、あわせてマスコミなどの対応が問題だと思う。
 
 局の戦略の典型は、

 演技力、役に合うかどうかは関係なく、旬のキャスティングをする。そして雑誌などで、その人を今が旬!ともてはやして”援護射撃”する。そして、ドラマ好きの視聴者はターゲットにせず、その演技射撃した媒体(グラビア雑誌や、歌、バラエティー)でその人を知った視聴者が観ることを期待する。その人の演技を観て、気に入って、続けてその人の出演作を観る人なんて今はあまりいない(あのキムタクだって、歌やバラエティーで露出しないで純粋に役者だけの仕事をしていたなら、あんなにもてはやされてはいないはず)。


役者の演技ですらこうなのだから、ましてや、脚本や演出で観るかどうか決める人なんて、今はほとんどいない。そして、演技が下手でボロが出たら、次のを探す。一方、実力、人気はそこそこありながら、ちょっとでもスケジュールをあけたりしたり、一回でも視聴率的に失敗した役者を、もう落ち目だ、おしまいだのと叩く。


だから、そういった人は、その作品に自分が合うか、その作品を気に入っているかどうかなど関係なく、焦って、何でもいいからドラマに出まくって、落ち目じゃないと必死にアピールする。酷いのになると、金をつかませて延命措置をとる。もしかして、ギャラより工作資金の方が上回ってるんじゃないかと思うほど・・・。ここを踏ん張れば再ブレイクできると信じていれば、役者は限界まで自分を安売りしてしまう。赤字こいてまでドラマに出たがる人がたくさんいるんだから、制作側はウハウハ。或いはゴッドファーザーみたいに、ベッドに自分の馬の首が切り捨てられてるんじゃないかとガクガク。


結局、旬だろうが、落ち目(とマスコミが勝手に言っている)だろうが、強いことが言えずに、足元を見られて手抜き作品が跋扈してしまう。役者が脚本を見て、”自分がこんな下らないのに出て恥をさらすのなら、出演なんかしないで、世間に落ち目といわれているほうが余程ましだ!”と言い捨てる。そんなプライドを持った人ばかりだったら、制作陣も絶対手抜きしないのだが。ですがそんな人は少数でしょう。

 フジの月9に特徴的だが、大手事務所の息のかかったマスコミの対応も

 弱小事務所の役者が出ている作品が振るわなかったりしたら、自社系列(フジサンケイ)のメディアを使ってまでも、私生活のスキャンダルをばら撒いてまでして、ボロクソにこき下ろす。そして二度と使ってもらえない。一方大手事務所の方は失敗しても何もいわれない。そしてまた使ってもらえる。


 弱小事務所出演作については、フジは、自分のところの作品を庇うどころか、つまはじきにしているに等しい。これじゃ制作陣の士気は下がるのも当然。
 一方大手作品はどうかというと、どんなに駄作だろうと叩かれないのだったら、これもまた手抜き、ぬるま湯の温床となって、士気は下がる。どっちにしろ月9スタフの士気は下がる。


 現に月9は崩壊している。


脚本家の腕がどうのとか、監督の映像手腕がどうのとか、もし映画、舞台作品だったら、世間で散々下馬評に上るはずの題材が、ドラマでは全く上らない。そもそもドラマ監督(演出)家の名前なんて世間では知られていない。映画監督とは大違い。金を払うかどうかの違いなのだろう。


また、世間では、カメラの前の姿ではなく、カメラに写っていない、役者の私生活とかイメージとか、誰と付き合っているかとかが重要。だからそこに付け込んで、実力の劣るタレントを多数抱える大手事務所による、ライバル(当たり前だが、こっちのほうが遥かに人気も実力もある)のスキャンダルやバッシングによる実力者潰しが横行。ドラマ制作陣の実力の差なんて、こんな怒涛のようなマスコミの騒ぎに吹き飛ばされて、まるでなきに等しくなってしまう。